てんさい糖が店から消えた

砂糖が無いなんて、いつの時代、どこの国の話かと思っていたら、直面しました。

「砂糖なら何でもいいならある」ところは、厳しい経済状態の当時や国々と状況は異なりますが、北海道ではわりと普通に売られている砂糖である、「ホクレンのてんさい糖」が売り場から姿を消しました。

てんさい糖を探して2件目のスーパーの砂糖売り場で、何かを探しているご婦人がいました。
「もしや同じ探し物!?」と思っていたら店員さんを連れてきたので、一緒にお話しを聞いていると、やはりてんさい糖を探しているとのこと。

店員さんによれば、原料不足で問屋にもなくて、入荷の見通しもたっていないとのお話しでした。

そういえば、昨年は猛暑でビートが不作でした。

ネットショップを探すと、まだ売られているところはあるようですが、普段300円を切る値段で買っていたのが約2割増しの値段。
送料もかかるので、今年のてんさい糖が出てくるまで待つことにしました。

そういえばホクレンショップは見に行っていないけど、もしかしたらあるのかな。

ホクレンのサイトにこんなお知らせが載っていました。
ホクレン「てんさい糖」につきましては昨年の夏場の天候不順により、生産数量が大幅に減少いたしました。

また、近年販売数量の進捗が生産可能数量を超過しており、在庫の確保も非常に厳しく、取引先様へは数量制限をさせていただいており、店舗によっては欠品を余儀なくされている状況でございます。

10月中旬より平成22年産を製造しており、11月下旬から店舗販売が再開される見通しとなっております。

大変ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

今後も本会製品の変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

「近年人気が出ている」と分かっているなら、原材料をてんさい糖の方にまわせばいいのではと思ったのですが、そんな単純にはいかない事情もあるのでしょう。

訪れたスーパーでは、ホクレンの上白糖(てんさい糖が原料)の方は品切れの様子はありませんでした。


ビートについてはこんな記事がありました。

十勝のビートに影響大、輪作崩壊も TPP交渉参加

TPP参加が国益としていいことなのか、悪いことなのか、よく分かりません。分からないことだらけ。

ビートだけに着目すると、以下のような影響が出るようです。
  • 原料価格の差は2~3倍。関税(調整金)が無くなると、国内の生産環境は狭まる可能性がある。
  • ビートは北海道の畑作の輪作体系を維持するための重要な作物。輪作体系が壊れると、他の作物にも影響が出る可能性がある。
  • ビート生産が減少すれば、ビート産業(製糖業、運送業、倉庫、機械設備のメンテナンス、工場の従業員など)にも影響が出る。

消費者のメリットとしてよく「価格が安くなる」が挙げられていますが、大事なのは「自分の好きなものを選ぶ自由がある」ということだと考えています。

日本で享受できる、当たり前すぎて忘れられがちな、この素晴らしいことが壊されないことを願うばかりです。

追記)2011.12.10
お店にならぶようになりました。12月2日に購入しました!